ハブのアップグレードのすすめ【MTB】

インダストリーナインのハブ

こんにちは!オンザロードつくば店の大高です。
1月に入りまして北風がますます寒さを帯びてきた今日このごろ、マウンテンバイカーの皆様はいかがお過ごしでしょうか?

今回はちょっと真面目な話になりますが、マウンテンバイクのチューンナップとして有用なホイールのアップグレード、ハブの多ノッチ化をご紹介します。

ハブの性能を左右するラチェット機構

MTBのホイールに限らず、一般的に高性能のホイール(ハブ)ほどフリーハブボディのラチェットのノッチ数が多いです。

“フリーハブボディ”とは後輪にカセットスプロケット(歯車)を収める部分です。ペダルが順方向に回転する時に噛み合い、逆回転する時に空転する機構のことを“ラチェット”と言い、これがフリーハブボティの中に入っています。

車輪が空転している時に鳴る「カチャカチャ」という音は、このラチェットから発生しています。身近なものだと、ナットやボルトを付け外しするのに使うソケットレンチのラチェットハンドルにもこの機構が入っています。

ラチェットハンドル

ノッチとはこの機構の噛み合わせの溝や爪の数のことです。数が増えればより加工が複雑になるので、より高価格帯のものに多く、空転時も「ジィィイイイ!」と高性能さを自己主張するようなけったいな勇ましい音を鳴らすのが特徴です。

なぜノッチ数が多いほうが良いのか?

ここからはマウンテンバイクの話になりますが、ロードに比べ登坂時により低速で軽いギアを多用するマウンテンバイクこそ、この多ノッチ化が有用になってきます。

例えばローギアでトレイルを登っていて、丸太超えやスタンディングをするようなシチュエーションがあったとします。多くのライダーはペダルを無意識のうちに回転と逆回転を繰り返して、トラクションを掛けたり抜いたりして、車やオートバイで言うところの「半クラッチ」の状態にすると思います。この時にノッチ数の多いハブのほうが即座にギアが噛み合うため、非常にこの動作がしやすくなるわけです。

スタンディング

クロスバイクやツーリング車など、ノッチの数が問われないような車種のハブは18ノッチ程度が主流で、マウンテンバイク用のホイール(代表的なものだとシマノのXTなど)になると36ノッチ程度になります。

FH-M8000

この36ノッチのハブだと、車輪を10°逆回転すると1回歯が噛み合うので、決して性能は悪いわけではなく、必要十分な性能に感じるかもしれません。ですがMTBで軽いギアを選んでいるとファイナルギア比は0.7を切るくらいになるので、実際はクランクを15°近く回転させないとギアが噛み合いません。

ノッチの数が倍に増えれば、動かすクランクの角度も半分で済むので、引き足が使えないフラットペダルのユーザさんなどは多ノッチ化の恩恵を一番受けやすいのではないでしょうか。

今回チューンナップを施すホイール

LINE COMP 30

今回こちらのホイール「Bontrager Line Comp 30」をチューンナップしていきます。2018年以降のFuel EXやRemedy、Slashのエントリー~ミドルグレードに標準装備されているホイールです。

Rapid Drive 54

「Rapid Drive 54」と記載されていますが、実はこのホイール、既に54ノッチで十分にノッチ数が多い部類のハブで組まれています。

ちなみにTop FuelやProcaliber SLに装備されている「Bontrager Kovee Elite 23」や「Bontrager Duster Elite 23」もこの54ノッチのハブで組まれています。

お手軽に108ノッチに変更

54ノッチのハブ

ハブを開けてみました。
内側に細かな溝がありますが、これがラチェットの「ノッチ=刻み目」で、54個切られています。

フリーボディ

フリーハブボティ側には120°毎に3つの爪が取り付けられており、この爪と溝が噛み合ったり、滑ることでラチェットとして機能しています。

ラチェットの爪とスプリング

トレックより取り寄せた爪とそれを動かすスプリングです。合わせて2,851円(税込)とかなりのリーズナブルプライスです。ハブボディには既に爪を取り付ける溝が切ってあるので、取り付けるだけのお手軽チューニングです。

108ノッチ化

取り付けました。(わかりやすいようにグリスやスプリングはつけていません)
最初から付いていた3つの爪と、後から取り付けた3つの爪は位相がズレています。6つの爪が同時に動作するわけではなく、それぞれの組が交互に動作するので、溝が54ノッチでも倍の108ノッチとして機能しているわけです。

上記のホイールをお持ちの方は、メンテナンスのタイミングでのアップグレードがオススメです。

他にもまだあるハブのアップグレード

BontragerのRapid Drive ハブ以外にもノッチ数を増やすチューニングができるハブとしては、DT Swissの240など「スターラチェット」を採用したものがあります。

スターラチェット 54ノッチ

上の写真の左側が18ノッチのラチェット、右側が54ノッチのラチェットです。
スターラチェットはRapid Driveをはじめとする殆どのハブに採用されている爪式のラチェットとは異なり、ペアのスターラチェットが臼のようにすり合うことで動作する機構になっています。

スターラチェット

ただスターラチェットは高い加工精度を要求されるため、54ノッチのもので18,360円(税込)ほどと、やや高額ではあります。

ですがハブのアップグレードの効果は、トレイル遊びをする上で決して侮れないものになるので、可能ならばぜひ交換しましょう。


ノッチ数が多いハブでホイールを組み替えたり、ホイールそのものを交換してしまうのもオススメです。

インダストリーナインのホイール

Industry9やCHRIS KINGのようなノッチ数の多いホイールなどは、トレイルライドのテクニックが伸び悩んでいる多くのユーザーさんにとって、それをカバーできる素晴らしい機材になること間違いなしです。

マウンテンバイクのホイールなどの機材のご相談はぜひオンザロードにおまかせ下さい。

つくば店・大高

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