ちょっと懐かしいバイクのメンテナンス【2008 TREK MADONE 5.2】

こんにちは、柏店影山です。

おかげさまで柏店もオープン1周年を迎えました!これもひとえに皆様のご支援のおかげです・・・ありがとうございます。

月日が経つに伴って、ちょっと古いバイクのメンテナンス依頼も増えてきました。(古さは個人の感覚ですが(^^);)

やっぱりトレックバイクのメンテナンス依頼が多いですが、他メーカーのバイクも・・・半分くらいでしょうか。私自身、かつては色々なブランドのバイクを販売していたので、あまり抵抗はないんです。

そんな最中、こんなロードバイクの整備をさせていただきました。懐かしいなあ!というよりも、自分の思い入れが強いモデルですね。

2008 TREK MADONE 5.2


2007年のツールドフランスで、アルベルト・コンタドール選手が初総合優勝したときに使用したモデル。コンタさん、今は引退してトレックバイクアンバサダーとして活動していますね。

その当時は正式発表前のモデルで、「なんだあのトレックは!?」「なんかスゴイ形のバイクが走っているぞ!」と大いに話題になり、しかも新モデルデビューウィンがツールドフランス、乗っていたのが新進気鋭の24歳(のちに今世紀最強のステージレーサーと呼ばれる選手!)という、センセーショナルな登場だったなあ・・・。(写真のコンタさんは翌年のブエルタにて。)

@Wikimedia Commons

2007年の夏と言えば、オンザロード守谷店が「トレックコンセプトストア」としてリニューアルオープンした年です。スタッフも(といっても僕だけ(^^);)も、トレックジャパンの社員も、手探りで進んでいた時代。

コンタドールの優勝には、わたしも含めてトレック関係者一同、大きく勇気づけられたものです(感涙)。

当時トレック契約選手だった堂城賢さん(たかぎまさる=やまめの学校の著者として有名ですね)と、このマドンをこっそり組み立てながら、オープンの準備と新型マドン発表会の仕込みをしたものです。隠しておくための白シーツ買ってきたりして。懐かしいなあ・・・。

僕自身も購入して乗り倒しました。当時は間違いなく地球イチ先進的だったモデル。いまのトレックの数々のテクノロジーの先駆けとしても、非常に人気があったなあ・・・。

*最初の写真・・・なんでバイクが水道に居るの?とお思いの方もいらっしゃるでしょう。柏店の巨大シンクで、バイクをまるごと洗ってしまうのでーす!さしずめ、自転車の温泉。

テクノロジーをご紹介

「E2テーパーコラム」

ステアリングコラム(ヘッドベアリング)の太さが、上下で異なるテクノロジー。フレームも末広がりな形状になります。

フォークの下回りがしっかりしているとブレーキングパワーが違う!立ち漕ぎの軽さが違う!いまでこそ当たり前な造形とフィーリングですが。

「BB90」

その名の通り、全幅 90mm のフレームにクランクベアリングを直接弱圧入。超軽量・超高剛性・超カッコイイ。3拍子揃ったテクノロジーです。これまた、今のトレックでは当たり前の技術ですが、フルカーボンフレームでこれを作ってしまう発想は「ぶったまげる」技術でした。

フレームの内部と、端部と、カーボン繊維の見え方=種類が違うのが分かるでしょうか?軽さを求める繊維と、硬さが特徴の繊維と、いろんな種類のカーボン繊維を狭い部位で使い分けているんです。

「RIDE TUNED シートマスト」

カーボンフレームに、カーボンパイプを被せてサドル高さの調整を行うという、逆転発想のテクノロジー。これまたトレックバイクはもちろん、他メーカーでもよく見るものになりましたが、調整の正確さ・調整の範囲の広さという点では、群を抜く使いやすさです!軽くてしなやかでカッコイイ!、これまた3拍子です。

インターナル・ケーブル・ルーティング

内蔵ケーブル・・・これも当時は「ぶったまげる」構造だったなぁ~!自然なケーブルの取り回し、ケーブルの保護性の高さ、クールな見た目、これまた3拍子揃ったテクノロジー。

さて今回のメニュー

バイクもライダーも年を重ねると、楽しみ方が変わってくるものです。さらなる快適性向上、乗り心地アップのために、「Bontrager Pro IsoCore VR-CF」カーボンハンドルをインストール。

https://otr.jp/item-blog/pro-isocore-vrsf-2019/

しばらく分解していないというヘッドベアリングも、しっかり洗浄。グリスアップして再組立てを行います。

「雨の日は乗らない」と仰るオーナーでしたが、やはり積年の汚れは内部に侵入するものです(>_<)

BB90 クランクベアリングも、この10年で進化しています。これは旧バージョン・・・オレンジ色のゴムシールが見た目の特徴です。

耐水性に優れる新バージョン(黒いプラスチックシールが特徴)をインストール。手で触っても違いが分かる、ヌルヌル回って軋み音も少なくなる仕様です!(^^)!

ハンドル交換に伴ってバーテープも交換するし、せっかくなのでケーブル長も見直して交換しましょう!・・・っと、この時代のマドン、ブレーキケーブルを抜き取ると「かじられたような」跡が付いている個体がほとんどです。

ブレーキアウターをフレームに差し込む部分に穴が開けられているのですが、ここにブレーキケーブル(アウターケーブル)が削られて、先の写真のような跡がつくのです。

ケーブルの座り(なじみ)がよいに越したことはないので、当時の営業さんに教えてもらった「被膜をちょっとだけ取り除いておく」作戦で組み立ててみました。(これってこのモデルにしか使えないワザなんですが、昔はたくさん作業したもので、今でも覚えています。)

ブレーキアウターケーブルの切断面はグラインダーで仕上げます。ここが直角に加工されていると、ブレーキケーブルの座りがよい(無駄な力がいらない、分かりやすいブレーキフィーリング)状態になりますよ。

インナーケーブルも少しずつ傷んでしまうものです・・・。内蔵ケーブルといえども、すすけたようなサビや汚れがいつか落ちなくなります。しっかりとしたブレーキタッチのために、定期的な交換を!

現代となっては、10年前の高級ロードバイクよりお手ごろな価格で、似たような走りを楽しめるようになりました。

しかし、「当時の最高の素材で」「最先端の技術で」「手間暇かけて作られた」自転車の味わいは、また別格なものです。

しっかり時間と費用をかけてメンテナンスを行えば、性能も思い入れも蘇ること間違いありません!

メンテナンスに決まった解答はありません。一台一台の状態に合わせてお見積りを行います。まずはお気軽にご相談ください(^^)