Air Rush 電動ポンプとクリックバルブの相性が最高だったお話

こんにちは!オンザロード守谷店のオオタカです!

数年前は考えられなかった新たなアイテムがニュースタンダードとし定番化する、そんな経験をすることが、自転車業界に身をおいていると度々あります。

今回はそんな“新たなアイテム”同士の組み合わせが最高過ぎたのでご紹介します!

【新定番①】TREK Air Rush 電動ポンプ

まずは1つ目のスタンダード、携帯型の電動ポンプです。

急なパンクの備えとして、携帯用ポンプやCO2インフレーターを持って走られているロード乗りの方も多いと思います。最近では小型のコンプレッサーとバッテリーを内蔵した電動ポンプが発売され、自転車乗りの携行品の新定番として人気となっています。

TREK Air Rush 電動ポンプ
¥12,900

長期欠品中だったAir Rush 電動ポンプ、再入荷しています

携帯用ハンドポンプより短時間で空気が入れられ、CO2インフレーターの様にボンベが使い切りでない、といった点がロード乗りの方に支持されているようです。

パンク修理以外にも使い道があります

パンク修理用の工具としての側面が強かった携帯ポンプですが、個人的に電動ポンプは自転車の遊び方自体を一変させるぐらいに秀でたプロダクトだと考えています。

というのも、正確なデジタル空気圧計が付いており、路面状況に応じて好きな時に空気圧の加減が容易という点から、主にオフロードを走られているライダーは絶対に持っていたほうが良いと思っています。

例えばオフロード区間まで舗装路を移動されるグラベルライダーの方であれば、オフロードに入るタイミングで空気圧を下げ、帰りの自走区間に差し掛かったら空気圧を戻す、といたことが出来るからです。

シクロクロッサーであれば、路面状況に合わせて、試走の周回ごとに空気圧を変えるといった事もできまし、マウンテンバイカーであれば、登りは空気圧を上げ、下りは空気圧を下げるということが、まるでドロッパーポストを上げ下げするかの如く容易に出来てしまうのです。

【新定番②】クリックバルブ

次なるアイテムは、シュワルベなどのタイヤ・チューブメーカーを中心に展開している「クリック・バルブ」です。

ご存じの方も多いと思いますが、自転車のバルブには「英式・米式・仏式」の3種類の規格があり、乗っている自転車の規格とポンプの口金の規格を揃える必要があります。

クリックバルブは、4種類目の規格として2024年に登場し、今後新しいスタンダードと成り得るのではかと、密かに注目を集めているアイテムです。

バルブコアをクリックバルブに交換した仏式バルブ

“4種類目の規格”と言いましたが、クリックバルブは100年近く変わることのなかった仏式(フランス式・プレスタ)バルブを、現代のニーズに合わせて改良したという側面もあります。

そのため仏式バルブのチューブやチューブレス用バルブのバルブコアを交換することで、容易にクリックバルブに交換することが出来ます。

空気だけでなく、100年近い歴史も詰め込んでいる仏式バルブ

ここがすごいよクリックバルブ

それでは仏式バルブのバルブコアと、クリックバルブのバルブコアを見比べてみましょう。

左)が仏式のバルブコア、右)がクリックバルブのバルブコア

仏式のバルブに空気を入れる際は、まず最初に真鍮製のネジを完全に緩める必要があります。
その後、ポンプの口金(ポンプヘッド)を接続し、レバーを起こす、もしくはネジを締め込むことで弁が解放されます。

対して右のクリックバルブは口金を接続した瞬間に弁が解放され、ワンタッチで空気入れと接続することが出来るのです。

仏式バルブの場合、この真鍮製の柔らかいバルブコアの先端をポンプとの接続時に曲げてしまうことが多く、その問題を解消してくれる上、非常に簡単に作業ができるようになります。

また、弁の開放量も仏式に比べ1.5倍程度となっているので、シーラントがバルブに詰まってしまってバルブが開放しづらい、という経験をされたチューブレスタイヤのユーザーさんにもオススメです。

実際に使ってみました

クリックバルブのバルブコアに交換後、仏式のフロアポンプで空気を入れてみました。レバーを起こす手間はありますが、普通に空気を入れることが出来ます。

出先で人のポンプを借りたりすることも出来ますし、既に持ているポンプを無駄にするということもありませんね。

クリックバルブ用のフロアポンプも各メーカーから発売されだしていますが、米式のポンプをクリックバルブに変換するアダプターも発売されています。

クリックバルブ用のアダプターを一般的なフロアポンプに取り付けてみました

一般的なスポーツサイクル用のフロアポンプですと、米式・仏式の双方に対応していることが多いため、このアダプターを介することでワンタッチ接続が可能となります。

ポンプヘッドをバルブへ近づけて、ただ差し込むだけで接続完了です。フロアポンプの空気圧計が即座に動くので、非常にストレスがありません。

バルブコアとアダプタがセットになった、シュワルベのキット 3,300円(税込)

まずは仏式変換キットを使って、持っている自転車やポンプの部品を変えてみてはいかがでしょうか。英式や米式のバルブをクリックバルブに変えられるアダプターも今後発売される予定です。

英式や米式もクリックバルブに変えられるようになるかも!

クリックバルブ変換アダプターをAir Rushd 電動ポンプで試す

長くなりましたが、今日の本題、ご紹介したイノベーション同士を合体させていきます。

上の写真のように、Air Rushd 電動ポンプには米式バルブ用のネジが切ってあります。

車体側が米式バルブであってもホイールのスポークが邪魔をしてポンプ本体を回し込むことができないので、ゴムチャックのアダプタを介してバルブと接続します。

Air Rushd 電動ポンプ付属の米式アダプタ、仏式アダプタ、そして延長ホース

小径の車輪やディスクホイールなどの場合は、更に延長ホースを間に入れてつなぐことになります。

TREKのAir Rushd 電動ポンプに限らず、携帯用電動ポンプの多くは、アダプターなどの付属品が米式であることが多いです。

先程のクリックバルブのアダプターをAir Rushd 電動ポンプに繋いでみました。

仏式バルブのゴムチャックの場合、ゴムパッキンとの隙間から空気が漏れないように、しっかりとポンプを掴んでおかなければなりませんが、クリックバルブのアダプターなら、カチリとはまり余計な力を加える必要がありません。

即座に空気圧計が反応し、現在の空気圧がディスプレイされます。▶ボタンを押すと徐々に空気が送られていき、予め設定した空気圧になると自動的に停止します。

ポケットからサッと取り出して、好みの空気圧に変えそして走り出すという一連の動作が、スムーズに行えるので実に快適ですね!

今後は定番の組み合わせになるかもです

どちらか片方でも十分優れているが、合わさると相乗効果によりさらに優れたものになる、まさにそんなアイテムの「TREK Air Rushd 電動ポンプ」と「クリックバルブ」。

実際にお確かめ頂けるように、店頭にデモ機をご用意していますので、ぜひオンザロード守谷店へご来店下さい!