ペダルを漕ぎ続ける、贅沢すぎる時間

あの日、なぜ、あの路でペダルを漕ぎ続けたのか、まったく思い出せない。
こころに刻まれる風景は、そんな偶然のような期待のない行き当たりのすえに出逢う。

出逢いというものは、おしなべて、そういうものではないかと思います。
今でも、どうして、そこに辿り着いたのか思い出せません。


大分麦焼酎『二階堂』のCMのキャッチコピー風にオマージュしました。

こんにちは、柏店の堀越です。

10年前、20年前なら、真夏でも外を乗り回していた気がします。
この数年の間に、日中のサイクリングがこれほど厳しいものになってしまうとは。

それでも乗りたいならば、早朝か夕方、太陽の熱量が少ない時間帯に譲歩しなくてはらないほど追い詰められてます。
幸いにして、充分な光量と時間に耐えるライト、ナビや体調管理機能を備えたメーターと、周辺アイテムも進歩し安全なライドを後押ししてくれます。

今暫くは、乗れる時間帯に無理なく乗るのが得策かと言い聞かせつつ、心に残る自転車の風景は、夕暮れの黄昏時が多い事に気付くのです。

何故にそうなるのか?
人間が感傷的になる時間帯ゆえに、気持ちが移入するのせいもあるでしょう。
昼の耀と夜の影が交差する僅かなトワイライトで曖昧な時間。ほんの一瞬で景色を変える時間の早さが、より景を際立たせるのかもしれません。
それらしい理由はともあれ、なににしてもいい刻なのです。そして夕日を浴びた琥珀のビールは最高に旨い。


お盆休み入られ休暇を満喫するぞと意気込んでいる方もいらっしゃるでしょう。せっかくの休みとばかりに壮大なライドを計画されておられる方は、どうぞこの暑さにはお気をつけ下さい。

そして、後々まで脳裏に残る風景は、準備万端に計画を練り込み期待して臨んだライドの1コマより、特に目的もなくペダルを漕ぎだしふとした瞬間の振返り際とかに目に留まるのが多いです。何も期待していないぶん、その反動で喜びはより大きく感ずるようです。

一発狙ったサマージャンボで3万円が当るより、机の奥に忘れ去られた封筒から出てきた1万円の方が遥かに嬉しいように。
(そんな下種な例えをするまでもないですが・・・・)共感いただけますでしょうか!?

どんな時でときでも、ペダルを漕げるのは健康の証です。もしくは健康になろとする過程かもしれません。
この夏、ペダルを漕ぐには少し逆風ならぬ逆光が強すぎますが、日差しに陰りが見えた頃に、ペダルを漕ぎだすと思わぬ贅沢な時間がやってくるかもしれませんよ。

そのうち涼しい秋は勝手にやってきます、程々に今を愉しみましょう。