地味だけど意外と効果のあるアップグレード

こんにちは、つくば店の戸辺です。 

自転車のアップグレードと聞いて一番に思いつくのはホイール、ハンドルバーといった、見た目の変化が大きいものを想像される方が多いと思いますが、消耗品のアップグレードとなると基本的にはタイヤ、軽量チューブと思いつく方が多いと思います。

今回は消耗品の中でもワイヤーのアップグレードについて紹介したいと思います。

たかがワイヤー、されどワイヤー

このブログを見られているそこのアナタ!ワイヤーの引きが重いと感じたことはありませんか?

ワイヤーの引きが重くなる要因はいくつか考えられます。

①ワイヤーが錆びている(突然切れる可能性があるので早めに変えましょう)
②アウターケーブルの長さが適切でない(長すぎても短すぎても中で擦れて重くなる)

メーカーから送られてきてすぐの状態、ケーブル類が長すぎることがほとんど

③コーティングが剥がれて抵抗になっている(ごく一部のモデルであります。後述)

この内、②に関しては、オンザロードで自転車をご注文の際、プレミアム組み立て(工賃:ロード、フルサスMTB→税込¥14,300 クロスバイク、ハードテールMTB→税込¥7,700)でワイヤー類の長さを適切な長さにカット、ワイヤー類にグリスを塗布してのお渡しになるので、新車でも気持ちいい引きを実感できます!

プレミアム組み立て施行例  ハンドルを左右に切った状態でワイヤーと車体の間に指が入るぐらいが適切な長さです

ワイヤーって結構種類あるんですよ、驚くくらいに

次に各ワイヤーの紹介をしていきます。ここだけで30分は熱弁できます(嘘)

①シマノ ステンレス製ワイヤー

サビに強いステンレス製のワイヤーです。当店でもオーバーホール時にはこちらのワイヤーにグリスを注入して、少しでも引きが軽くなるようにしています。


②シマノ オプティスリックシフトケーブル

ほとんどの完成車に使用されているシフトケーブル、青緑色が特徴です。
オプティスリックとは、耐久性に優れた均一でごく薄い電着コーティングが施されたということみたいです。(シマノより引用)


③シマノ ポリマーコーティング

11速時代のアルテグラ、デュラエースに付属してくるワイヤー、茶色っぽいのが特徴。

ポリマーコーティングとは、フッ素やシリコンなどのポリマー(重合体)を車のボディや外壁などに塗布してコーティングする樹脂系コーティングとのこと

私も1度使ったことがあり、使い始めは軽ッ!!となりますが、前の項目の③で触れた、コーティングが剥がれて抵抗になっているが、これに該当します・・・
このワイヤー、引きの軽さと裏腹にコーティングの耐久性がそこまで高くなく、爪で引っ掻いても剥がれてしまいます・・・

その剥がれたコーティングがアウターケーブル内で抵抗となり、引きを重くするのです・・・(||゚Д゚)ガクガクブルブル


④ニッセンワイヤー SP31

写真右側がSP31

この商品の特筆すべくはとにかくしなやかで引きが軽いことです。

しなやかさの秘密は、通常のインナーワイヤーは19本の素線で構成されていますが、SP31は31本の素線で構成されています。

また、製造工程でワイヤーを限りなく真円に近い状態まで削り、特殊な電着コーティングを施しているので、他のコーティングよりも長持ちします。

アウターもあるで

インナーワイヤーのルートを確保するためのアウターワイヤーもいくつか種類がありますが、今回はニッセンのシフトアウターがとにかく素晴らしいので紹介させてください笑

左側がアウター

右:シマノ 左:ニッセン

シマノとニッセンを見比べると、ニッセンは横にいくつもの線が入っています。

これがまたしなやかで、近年のロードバイクはワイヤーフル内装が標準となっていることが多いので、取り回しがきつくて引きが重くなるといったことがありますが、これを使えばハンドルを動かすときでもワイヤーの硬さが邪魔をせず、それでいて軽くて気持ちいい引きを実感できます。

上:シマノ 下:ニッセン

シマノは周囲につぶつぶとした線が配置されています。アウターが劣化してくるとこれがバラけるのが特徴です。

当店にはニッセンワイヤーの在庫もあります!今までと違う引きの軽さを実感したい方はオーバーホールのタイミングに交換するのがベストです!

もちろんワイヤーだけ変えたいというのもOK!

ご相談お待ちしてます!