30年ぶりの新型SPDクリート、静かに登場。其の名も「CL-MT001」

こんにちは!オンザロード守谷店のオオタカです。

つい先日、シマノのMTBコンポのエントリーグレード「DEORE」よりワイアレス変速モデルが発表され、ついに3グレードともにDi2の無線化がなされました。今年のシマノは数年間の沈黙を突如破り、新型モデルを次々に発表しているので、見ていて飽きることが有りません。

そんなシマノより、30年ぶりとなる新型のクリート金具が発表されましたので、今回はサイクリストを足元から支えるクリートの新型モデル「CL-MT001」に着目してみようと思います。

広く信頼を集めたビンディングペダルのスタンダード、SPD

1990年に登場したシマノのペダルシステム「SPD」(シマノ・ペダリング・ダイナミクス)は、ロードバイク用の大型のビンディングペダルしかなかった当時、革新的なシステムとして多くのMTBライダーに衝撃を与えました。

ライダーの支持を集める「シマノ・ペダリング・ダイナミクス」、SPD

よりコンパクトで泥はけが良く、オフロードライド向けに開発したSPDは、着脱が容易なその使いやすさから、オフロードライダー以外のシティコミューターや、ブルベで利用される方といった一部のローディーからも支持を集め、ロードバイク用のSPD-SLと人気を二分しています。

2ボルトタイプのシューズに対応しています

MTB向けのビンディングペダルは、現在はTIMEやクランクブラザーズなどのシマノ以外のメーカーからも発売されていますが、2ボルトで固定するシューズの規格はSPDのサイズに合わされていて、自転車業界のディファクトスタンダードとして一般化しました。

新型クリートCL-MT001をみてみましょう!

そんな歴史あるSPDですが、発表当時からすでに完成されていたということもあり、シマノは今日まで特に大きな変更をクリートには施していませんでした。

ですので新型モデルが五月雨式に発表されている中、それに紛れて突如として発表された新型クリート「CL-MT001」は、割と衝撃的なニュースでした。

開封して既存モデルと並べてみます。
一番左のシルバーで大きく「M」と刻印されたクリートがマルチリリースの「SM-SH56」です。
中央がシングルエントリー・シングルリリースの「SM-SH51」、右が今回発表されたマルチエントリーの「CL-MT001」です。

左からSM-SH56、SM-SH51、CL-MT001

つま先側を引っ掛け、かかと側を踏み込みロックする従来の「シングルエントリー」方式に加え、かかと側を引っ掛けつま先をロックするor真上から踏み込む、の3wayの方法が取れるので「マルチエントリー」と呼称しているようです。

CL-MT001は、様々な力方向からでも確実にクリートキャッチできるように、形状をわずかに変えて追加されました。

上図は上がシューズ、下がペダル、右側がつま先側になるよう、三種類のクリートを並べています。

見比べて頂くと、シングルエントリーのSM-SH51とマルチエントリーのCL-MT001では爪の形状が異なり、くさび形になだらかな傾斜をつま先側に設け、ステップインの際につま先側からもビンディングペダルのロック機構を開閉できるようにしています。

因みに混同されそうな「マルチリリース」のSM-SH56は、ステップアウト時にスムーズにロックが開閉するように逆方向にくさびを切っていています。このため真上方向に強くシューズを引っ張り上げることでクリートが外れるので、転んでしまいそうな咄嗟の状況でもペダルからシューズが離れやすく、ビンディングシューズ初心者の方でも扱いやすくなっています。

型番だらけでソニーのヘッドホンみたい・・・

CL-MT001の発売は僅かな変化ではありますが、激坂での再発進時にクリートをはめたいMTBライダー、シケインを越えて即座にバイクに乗車したいシクロクロッサーには朗報になるかもしれません。

型番ばかりで名称が覚えづらいと思いますので、店頭では単に「マルチリリース」とか「シングル」とお伝えいただいても大丈夫です!
数に限りはございますが在庫もございますので、ぜひ店頭にてお確かめください。