自由・自律・快速!「YOELEO」ヨーレオ 新定番カーボンホイール「SAT C35」乗ってみた!

YOELEO ヨーレオ はじめました
こんにちは。オンザロードつくば店の影山です。
2025年、オンザロードで取り扱いを始めたホイールブランドをご紹介します。
なんて読むの?とご質問をいただくことの多い・・・「YOELEO」ヨーレオです。
先に紹介した新規取り扱い NEPEST ネペスト についてはこちら
YOELEO ヨーレオ カーボンOEM生産 技術の結晶
中国は厦門(アモイ)発祥のカーボン製品ブランドです。

2007年にOEMでカーボンパーツ製造を始め、2011年にヨーレオとしてブランド設立。
現在ではUCIプロチームにも機材供給を行う、実績と口コミの両面から評価を積み重ねるブランドです。
大陸系メーカーならでは、比較的手の届きやすい価格で、OEM生産で培った技術を元に製品を提供してくれています。
路面店での販売を主軸としていますが、遠隔地にお住まいのお客様向けにオンライン販売もあります。
今回のディーラー契約に伴い、「保証」や「修理・メンテナンス」は、オンザロード基準で提供することが可能になりました。
丁寧な設計
ヨーレオのカーボンリムは本当に綺麗です。日本製T800カーボン繊維をきっちり成形します。

「フィラメントワインディング技術」という成形技術(成形マシン)を用いることで、カーボンリムの最外装が、繊維が整った非常にきれいな状態に仕上げられています。
この「フィラメントワインディング成形」で動画を検索すると、大きなマシンでグルングルンとカーボン繊維を整形する動画が見つかります。
例えば・・・
https://x.com/YoeleoJ/status/1801134511868297676
過去に見たことある「カーボンシートをペタペタ重ねる」手法とは全く異なる製法?
素材を均一に、密度を高く成形することができるそうです。
実際、箱から出して振れ取り台に載せて回してみると、リム表面の細かい隆起がほとんど無く、感動しました。
(使用を重ねるとうねってくるカーボン製品もあるので、まだまだ様子見ではありますが。)
ヨーレオは一体どんな工場なのでしょうね!見てみたいですね!
マルチに使えるワイドリム
リム内幅23mm・外幅32mmの比較的ワイド設計で、ヒルクライムで人気の25~28mmタイヤから、幅広のグラベルタイヤまで対応します。

「SATテクノロジー」といって、ホイールのタイヤが接する面には穴が開いていません。(専門用語で言うと、リムフラップが不要!)
組み立てや修理のときに少し手間はかかりますが、剛性アップ、リムフラップ不要で軽量、チューブレスタイヤの気密性アップが期待できる、などなど、いい点がたくさんあります。
塗装とデカールは最小限にとどめられ、外観は非常にシックです。どんなバイクにも合いそうです。

納期はかかりますが特別カラーのデカール、またデカールレスもオーダー可能です。
リム側面に水抜き穴が開けられています。タイヤが接する面に穴が空いていないので、これは非常に重要です。

ついでに気が付きましたが、陽の光に当たるとカーボン繊維がキラキラと日光を反射して、サイクリスト的には萌えます。
こだわりの自社設計ハブ
今年モデルのリアハブ内部は「QianKunハブシステム」チェン・クン・ハブシステムという、最新スペックに進化しました。
リアハブはいわゆる面ラチェット構造。1回転あたり36ノッチのカチカチ音。

カチカチ音は・・・大きめかもしれません。
シマノ、スラム、カンパニョーロ、最近要望の多いシマノマイクロスプライン仕様も選択して購入できます。
もちろん、あとからパーツを買い足しての組み替えも出来ます。
分解してみました。

メカ目線のマニアックな話題ですが、面ラチェットの元祖「DTスイス社」とほぼ同じ構造です。
違いがあるとすれば、ラチェットにテンションをかけるリーフ状のスプリング「エンデュラスプリング」。非常にしなやかに動きます。

また、「Q-Angular36エンゲージメント」面ラチェットがテーパー状になっていてトルク滑りを防ぐ形になっている点、スプリング類を定位置に収めるテーパースペーサーが組み込まれている点も独特です。
こうだったらいいなぁが形になっていて、正直驚きました。
フロントハブは左右のスポークテンションが均等になるような設計。地味な部分も自社設計、こだわりを感じます。

写真のホイールは、一般的なディスクブレーキロードバイクの「スルーアクスル仕様 F12*100㎜ / R12*142㎜」規格です。
なんと!「クイックリリース仕様 F100㎜QR / R135㎜QR」も選択して購入できます。あとからパーツを買い足して組み替えも出来ます。
TREK FXシリーズのようなクロスバイクや、ちょっと昔のロードバイクのカスタマイズも出来ますね!
TREK FX シリーズに軽量カーボンホイールを履くことも・・・夢が広がります。
自由と自律
唯一、このホイールで中国を感じるのが、ホイールに貼られた(ラーメンのどんぶりみたいな)デカール。
「自由」と読めます。反対面には同じく「自律」と刻まれています。

ヨーレオのブランドフィロソフィーは「自律と自由」。そう、自転車は自由に楽しめるもののはずです。
どうオーダーするの?
現在、ヨーレオは各国小売店を通じての販売がメインになっているそうです。なんと最近USAにも進出しました。
メンテナンスサービスの面では、路面店を通じての提供がやはり強い!
オンザロードつくば店の店頭で「ヨーレオ、ください!」とお気軽にお声がけ下さい。
価格を抑えるためもあり、基本的に日本国内に在庫はなく、オーダーしてから約3~4週間でお店に届きます。
中国の商慣行なのでしょうか、ストアから本国へは先支払いになっています。オーダー時にそこそこご予約金をお支払いいただけると、たいへん助かります。もちろんお急ぎのときはご相談下さい。
細かい補修部品も、完成ホイールと同じく中国倉庫から販売店に直送されます。
オンザロードからご提供したホイールの修理は、通常通りオンザロードの工賃体系に沿って行うことができます。
安心のメーカー3年保証、さらにクラッシュリプレイスメント制度も備わります。
YOELEO SAT PRO NxT SL2 カーボンホイール 前後セット
認証:UCI承認済み
用途:ロード & グラベル
ブレーキ:ディスクブレーキ
リム素材:HI-MOD カーボンファイバー T800
リム外幅:32mm / 内幅:23mm
リム形状:オフセット U字型
リム構造:カーボン製 SATテクノロジー採用 / フック付き
リムベッド:スポーク穴なし(チューブレスレディ、リムテープ不要)
ラチェット:36T
O.L.D.(エンド幅):
フロント側 100mm(QR固定)、100mm (12mmスルーアクスル固定)
リア側 135mm(QR固定)、142mm(12mmスルーアクスル固定)
フリーボディ:Shimano 11/12速用、Shimano Micro Spline用、Sram XDR用、Campagnolo N3W用、Campagnolo 11.12S用
スポーク:Black Pillar WING 20 Aero Spokes
スポーク数:フロント 24H, リア 24H
ニップル:Black Sapim Secure Lock Nipples
付属品:予備スポーク(2本)、リムワッシャー
対応タイヤ種類:クリンチャータイヤ、チューブレスタイヤ
対応タイヤ幅:25c 以上のタイヤに対応
推奨タイヤ幅:28c~47c
チューブ互換性(適合バルブ):プレスタ
重量制限 (システム):125kg
保証期間:3年
ホイールセット重量:C35…1,260g ±5%、 C50…1,320g ±5%、 C60…1,345g ±5%、 C88…1,720g ±5%
前後セット価格(税込):C35…159,000円、 C50…159,000円、 C60…164,000円、 C88…169,000円
早速乗ってみよう!
いきなりシクロクロスレースシーンにたたきこんでみる、ハードコアスタイル(笑)。

私物のシクロクロスバイクに装着です。ボントレガーのアイオロスPRO37ホイールからの載せ替えでした。
実測すると軽くなっているのだろうけど、今までも十分軽いホイールでしたので、バイクを持ちあげての違いはあまり感じません。
タイヤをはめる
チューブレスタイヤの取り付けは非常にカンタン、カンタンすぎます。
タイヤとのはめ合いは、やや緩めかもしれません。
お店のコンプレッサーでビードを上げることが出来ました。フロアポンプでは少々大変かもしれません。
(ややきつめと言われる)IRCのシラクCXチューブレスタイヤでもビードが緩めなので、軽量系ロードチューブレスタイヤをはめるときは、プロショップでの作業が無難かと思われます。
あと、チューブレス用バルブが標準では付属しません。
エアの通りがよい「IRC フォーミュラプロ チューブレス マルチウェイバルブ」や「YOELEO NxT-Flow チューブレスバルブ」をご用命ください。
みんな気になるのが、シクロクロスレースのタイヤ幅レギュレーションです。
空気パンパンだとタイヤ幅の実測は33mmを少し超えるくらい。
空気圧をレースセッティングの 1.6bar にすると、33mmになりました。
体重のあるライダーさんでUCI/JCFレースなどに出場する方は、気を付ける必要があるかもしれません。
乗り出す
走りだして真っ先に感じるのが、やはり踏み出しの軽さ。
カーボンスポークモデルのような「ガン!ガン!」な進み方ではありませんが、ステンレススポークの「ため」を感じながら「ふわふわっと」バイクが進む、過去にカンパニョーロの上級ホイールで感じたような質感です。
ダンシング(立ち漕ぎ)でも伸びがいいぞ。うんうん、いい感じだ!
オフロードでの乗り味もやや優しめです。ギャップや細かいうねりをホイール側でいなしてくれる感覚。
リムハイト35㎜、グラベルライドにちょうどよいかもしれません。
調子にのってコーナーで速度を試したら(出しすぎとも言う)、ホイールがこじれる感触を感じながら、地球と激突。
平たく言うと転びました・・・。
うむ限界を見誤った(笑)ホイールによってフロント荷重時の挙動が違いますので若干の慣れがいりますね(焦って早口)。
以後、この日は転ばずに済みました。あ、ホイールは全くもって無事でした。
レースで使う
2025松伏シクロクロス、みんなで行ってきました~
レース当日はIRCのシラクCXエッジ(セミスリックタイヤです)に絶好のドライコンディション!
ノブタイヤを履かせたホイールも持ってきていましたが、よっしゃ、今日は「シラクCXエッジ+ヨーレオC35ホイール」で走ろう!
結論「合格だ!」

レースはしんどいけど、やっぱり登りで軽さは正義ですね。
レースはヘベレケだけど、シクロクロスダウンヒルでの剛性感は充分。
レース翌日でもエア抜けは一切無し!(これはシーラントやタイヤの性能も大きい。)
フロント 1.6BAR で走ったので、逆バンクでタイヤがよれるかな~と恐れていましたが、それほどでもありませんでした。

ただ、ラチェット音がやや大きいので、下りや平地で前のライダーに気付かれるのがネタです・・・。
夢中になるレース中でも機材面でストレスがない。「合格だ!」
ご用命おまちしています
登り、下り、乗り心地、精度面、などなど各性能の平均点が非常に高い、優等生ホイールだなあと感じます。
しかし一件フツーの外観とは裏腹に、リム内側やハブ内部など、見えないところにハイテクが満載。
もうちょっと長く付き合ってレポートしたいところですが、現時点のご報告は以上となります。
比較的手の届きやすい価格のフルカーボンホイールで、走りの進化と広がる世界を、たくさんの方に楽しんでほしいなと願っています。

