ロード油圧ディスクブレーキのレバー位置を調整しよう!(1)
こんにちは、オンザロード柏店の大高です。
今年度はシマノの10速ロードバイクコンポ「Tiagra」(ティアグラ)にも油圧ディスクブレーキモデルが追加され、ロードバイクの入門用グレードでも油圧式のディスクブレーキを選択できる機会が増えてきましたね。
以前に柏店のブログで、快適にロードバイクに乗るコツをシリーズでお伝えしていましたが、その影響もあってか油圧ディスクブレーキのレバー位置の調整方法をお問い合わせ頂く機会が増えてきております。
https://otr.jp/staff-blog/bikeriding-tips-kageyama-2/
従来からあるワイヤー引きのリムブレーキの方が、視覚的に直感で調整することができたのでよかった!と思われそうですが、やり方さえ覚えてしまえば油圧ディスクブレーキのレバー調整も難しくはありませんよ!
まずは握り幅の調整をしてみよう!
ブレーキを掛けていない状態でのブレーキレバーまでの距離を「握り幅」と言い、ハンドルからレバーまでの物理的な距離を近づけたり遠ざけたりする調整を「ブレーキレバーのリーチの調整」と呼びます。
ブラケットを握っている状態だと分かりにくいですが、下ハンドルを持って見ると違いがわかりやすいと思います。握り幅は「リーチアジャストボルト」を回すことで調整できます。
峠道の下りなどで、下ハンを持ちながらブレーキを当て利きさせ走るのなら、指が引っかかりやすい位置に持ってきたいですよね。
※油圧ディスクブレーキとワイヤー式ブレーキの違い:
油圧ブレーキのSTIの場合、リーチアジャストボルトはブレーキレバーの位置そのものを調整する機能なので、握り幅を狭くしてもストロークは変わりません。
ワイヤー式ブレーキの場合、リーチアジャストボルトはブレーキレバーが引っ張られている状態にするので、ストローク自体も短くなります。
お次はフリーストロークの調整!
ブレーキを握ってからブレーキが利き始めるまで距離を「フリーストローク」と呼びます。日本語だと空引き(からびき)ですね。先程の「握り幅」はレバーとハンドルの位置関係でしたが、今度はブレーキレバーの移動量の調整です。
フリーストロークの調整機能は、アルテグラとデュラエースの上位グレード2種類のみに与えられており、主にフリーストロークを拡大する方向へ調整できます。
105とアルテグラのブレーキを握り比べてみた方はお気づきかもしれませんが、105はフリーストロークはかなり長めで、レバー末端部分ですと水平に30mmちょっとの距離があります。
対してアルテグラは20mmほどで、105に比べるとだいぶショートストロークなのが分かりますね。(弧に対してではなく水平距離なのであまり正確ではないかもしれませんが・・・)
アルテグラとデュラエースに与えられたフリーストローク調整機能は、調整ネジがデフォルトで締め付けられた状態、つまり最もストロークが短い状態になっています。
調整ネジを緩めると7~8mmほどストロークを伸ばせるので、105のような長いフリーストロークに近づけることができます。いわゆる「かっくんブレーキ」が苦手な方にはおすすめです。
ちなみにフリーストロークネジを緩めると握り幅も広がってしまうので、フリーストロークと握り幅は合わせて調整しましょう。
スモールハンドモデルに換装するという手も・・・
女性やお子さんなど、手の小さい人向けにレバー形状を変更した「スモールハンドモデル」といったものが昨年から105グレードに追加されています。
レバーそのものが外側へ大きく張り出しており、通常版に比べ4mmほどリーチが短い形状をしている、いわゆる「ショートリーチモデル」ですね。今年にはティアグラとアルテグラにも追加されました。型式の末尾“5”がスモールハンドモデルです。
TREKのロードバイクのラインナップでも、レディースモデルなどには標準でスモールハンドモデルのSTIが付属しています。
アルテグラのブレーキセットに換装することで、ストロークの短いブレーキにすることもできますし、フリーストロークの調整もできるようになります。また手の大小に関係なく、好みでスモールハンドモデルの「ST-R8025」に交換するのもありかもしれません。
次回は「実践編」です。各モデルのリーチアジャストボルトやフリーストローク調整ネジの位置、そして調整方法を解説していきます。
https://otr.jp/staff-blog/hydraulic-brakelever-adjustment-2/