ロード油圧ディスクブレーキのレバー位置を調整しよう!(2)

前回の「ロード油圧ディスクブレーキのレバー位置を調整しよう!(1)」では、導入編として握り幅フリーストロークの解説をさせていただきました。

https://otr.jp/staff-blog/hydraulic-brakelever-adjustment-1

今回は実践編です。現行ラインナップの油圧ディスクブレーキのレバーをセッティングしてみましょう!

握り幅・フリーストロークの調整ネジの位置

マウンテンバイクのブレーキレバーですと、調整ネジがむき出しになっているのでわかりやすいのですが、ロードバイク用のSTIですと調整ネジがブラケットフードの下に隠れていて、多少分かりづらいです。

MTBのレバー調整

MTBのレバーはコース応じて瞬時に調整することもできる。

握り幅、つまりレバーリーチの調整はブレーキレバーのテコを、フリーストロークは油圧システムのピストンの戻りを調整する仕組みになっています。

Tiagra・105(ST-4720・ST-R7020など)

現行モデルの105ディスクのST-R7020、後から追加されたスモールハンドモデルのST-R7025、そして今年追加されたティアグラのディスクモデルST-4720、同スモールハンドモデルST-4725は握り幅の調整ができます。

ST-4720

2019年に追加されたTiagraの油圧ディスクモデル。

調整用のリーチアジャストボルトはレバー付け根の外側側面にあります。クリック感のある7段階調整式となっていて、2.5mmの六角レンチを用います。

ST-4720

2.5mmの六角レンチで握り幅調整ができます。

時計回しで握り幅が狭く(レバーが近く)なっていき、最も狭くなった位置からさらに回すと最も広い(遠い)位置に戻るロータリー方式です。

機械式ULTEGRA・機械式DURA-ACE(ST-R8020・ST-R9120など)

ワイヤーで変速する機械式のアルテグラST-R8020とデュラエースST-R9120は、握り幅とフリーストロークの調整が可能です。2019年夏に追加されたアルテグラのスモールハンドモデルST-R8025も同様です。

握り幅の調整

リーチアジャストボルトはやや見ずらい位置にあります。

ST-R8020

握り幅の調整ネジはレバー付け根にあります。

ブレーキレバーの付け根付近、下から覗いた位置に2mmの六角ネジがあります。反時計回りで握り幅が狭く(レバーが近く)なり、時計回りで広く(遠く)なります。

ST-R8020

実際にハンドルを握りながら少しずつ調整していきましょう。

フリーストロークの調整

フリーストロークの調整ネジは、ブラケットフードをめくった位置にあり、握り幅の調整と同様に2mmの六角レンチを用います。

ST-R8020

ブラケットフードを後ろからめくったところ。

初期状態ではネジが締まっており、反時計回しでネジを緩めていくと握り幅が広がっていくと同時にフリーストロークが大きくなります。

最大で6~7mmほどブレーキストロークが伸びます。ある程度緩めるとレバーの位置が変わらなくなるので、その時点で緩めるのをやめましょう。緩めすぎると調整ネジが外れてしまいます。

ST-R8020

ブラケットフードは前からめくってもアクセスできます。

説明が前後しましたが「フリーストロークの調整」→「握り幅の調整」の順にやっていったほうが良いかもしれません。

電動ULTEGRA・電動DURA-ACE(ST-R8070・ST-R9170)

アルテグラとデュラエースのDi2モデルも調整方法は機械式モデルと同様です。

ST-R9170

電動変速を採用したシマノのDi2モデル。

ですが機械式モデルとではフリーストロークの調整ネジの位置が異なっていて、ブラケットフードを前からめくった場所、握り幅の調整ボルトのすぐ隣りにあります。

ST-R9170

握り幅とフリーストロークの調整ネジは隣り合った位置にあります。


※参考サイト:
https://si.shimano.com/pdfs/dm/DM-RADBR01-06-JPN.pdf(54~55ページ)