推しは推せるときに推せ!全日本選手権シクロクロスのメカニックサポートに行ってきました

こんにちは。つくば店の影山です。

「レースレポートは鮮度が大事!」

自分が走ったレースでも、クラブメンバーさんと遠征したレースでもないのですが、写真の整理をしていたら書きたくなったので、なぐり書きです。

半日間の自由な活動を許容してくれたつくば店スタッフ皆さまに感謝!

自転車屋さんとは?

オンザロードを「自転車販売店」だと思われている方には、よく分からない内容のブログかも知れません。

私カゲヤマ、自転車屋さんは人に感動を与える仕事であり、その感動がいつか自分たちに何倍にもなって戻って来る、そんな仕事だと思っております。

そしていただいた感動を糧に、もっと大きな感動を提供できるように・・・出し惜しみはしません。

心と心の交流するコミュニティスペースなのかもしれません。

そういった意味で、こういう活動も「自転車屋さん」の大切な仕事なのだと思っています。

15年前を思い出す

かつて弊社で最初の自転車(12インチだったかな?トレックのキッズバイクです)を買われたお客様。

小学生の時分から、茨城シクロクロスの会場に遊びに来てくれていた山田駿太郎選手。通称、シュンタロー選手。

1年前の2024年1月、「第29回 全日本自転車競技選手権大会 シクロクロス」男子アンダー17カテゴリーで優勝しました。

ウチの息子(彼のいっこ下です)と遊んでくれたり、大会の片付けを手伝ってくれたり。ご両親も大会運営や組織運営に多大に貢献してくださったり・・・。

彼の競技力も年齢とともにメキメキ上がってきた。

そんなシュンタロー選手が、アンダーカテゴリーの大舞台で栄冠を勝ち取った!それだけで、おじさんは感動してしまいました。

もう立派な選手なんだな。

2024年の春からは自身の課題を改善するため、地元でおなじみのチーム「弱虫ペダルサイクリングチーム」でロードレース活動を開始。最初はひぃひぃ言っていたようですが、だんだん地脚が付いてきたみたい。

2024-2025シーズンのシクロクロスレースは、同じく弱虫ペダルサイクリングチームで参戦。使用バイクはトレックからチーム貸与機材のビアンキになりましたが、オンザロードつくば店で組み立てやメンテナンスのお手伝いをさせていただいています。

今期から選手の登竜門であるジュニアカテゴリー(高校1年生~3年生くらいの学齢ですね)で走るシュンタロー選手。兄貴分の格上選手たちと伍して戦うその姿を、各地のレース会場で目にされている方も多いと思います。

一発のラップタイムは、もはや国内エリートトップ選手と遜色なくなってきた。

そんなわけで私カゲヤマ、2024年12月15日「第30回 全日本自転車競技選手権大会 シクロクロス」、舞台は栃木県宇都宮市、道の駅ろまんちっく村。

大事な一戦の応援&メカニックサポートに行ってまいりました。

それは前日に起きた

かねてから、日曜の全日本選手権当日はサポートに行く旨を申し伝えていました。

大会前日に送られてきた、シュンタロー選手の行動予定表。さすが、何事も可視化することは大事だ、うんうん。

ん…?

んん…?

んんん!

『日付、ちがくない?』

うん、でも間違いなく決戦は日曜日だ。そこは合っている。問題なし!

カゲヤマは土曜日にクルマへ支援機材を積み込みます。

・水タンク60L分
・ケルヒャー高圧洗浄機とその電源
・ポータブル管理型洗浄機
・メンテナンススタンド
・工具一式
・ケミカル類一式
・台車2台
・ありったけのカイロ

一路宇都宮へ

日曜日早朝、月が綺麗な夜道を一路宇都宮へ。我々は月に向かっているのだ、うんうん。

この日の宇都宮は恐れていたほど寒くなかったです。持ってきたカイロ・・・一個も使わなかった・・・。

期限切れのカイロを使い切ろうと思っていたのに~、またらいね~ん(え?)。

おはようございます。会場に付いて駐車して早々、茨城シクロクロス県北運営担当のタナベさんちの犬に襲われます。

我々が立ち話している間に、ひたすらに股間をクンクンしてくる。もう、不敬だよっ。

そんな我々の周りに、主催者ネットワーク(AJOCC)のメンバーが集まってきて情報交換。はや来年の企画の話しです。光陰矢の如しです。

おはようございます。前日に試走はしているけれど、路面コンディション確認のため朝試走へ向かうシュンタロー選手。

メインバイクと、スペアバイクと、それぞれのタイヤセットを確認。微妙に違うタイヤを履く2台の空気圧だけ聞いて、あとは動作チェック。

シュンタロー選手のマイ空気圧計を預かる。これ責任重大。

試走を終えたら、スペアバイクでウォーミングアップへ向かう選手を見送り、私はスタートに使うメインバイクの整備。

この日は路面が溶け出す(霜柱があたりまえですからっ)前に試走時間が終わったので、ドロドロの清掃案件はなく。

前日から酷使されたドライブトレイン周りのクリーニングを中心に。緩んでいた左ペダルベアリングの増し締め、組んでから交換またはトラブルのあった箇所の増し締め。そしてチェーンのクリーニングと、中粘性のチェーンオイル(ワコーズのメンテルブ)をたっぷり塗布。

コールアップ開始までの時間は1時間。十分に時間が余ったので、プーリーを外して絡まった草をしっかり除去して終了。

テントの場所がよいので知り合いの皆さまがひっきりなしにあいさつに来ます。やはり現場の交流はありがたいですね。

気温が上がってきたので、空気圧を最後にもう一度チェック。

オーダーは「前後1.4Bar」。決戦バイクのタイヤは「Vittoria Dugast」ビットリアデュガスのチューブラータイヤ「Typhoon」タイフーンです。

「仕事している風の宣材写真を撮ってください!」と、通りすがりの知り合いに撮ってもらいました(^^)

年に一度の大舞台、全日本選手権。基本的にピリッとした空気が流れていますが、推しの選手を応援するサポーターの皆さまもビリビリに気合が入っています(入りすぎ)。

スタートォ

スペアバイクと工具一式、インフレーター、念のためチューブレスタイヤを台車に積んで、ピットへ向かうサポート陣2名。

選手をコールアップエリアへと見送ります。サポート陣がレース前にできるのはここまで。あとはサーカスのスタートを待ちます。

繰り返します。推しの選手を応援するサポーターの皆さまも、ビリビリに気合が入っています(入りすぎ)。

*のぼり旗はロットでたくさん作ると安くなります。

男子ジュニアカテゴリー、定刻にスタート!シュンタロー選手のホールショットが決まり、先頭で第一コーナーをクリア!

ペダルをしっかり清掃しておいてよかった!と一瞬の自己満足に浸る(関係ないと思うんだけど)。

インフィールドに入り、2位で展開を開始。ここから私カゲヤマはピットエリアに入ります。

ピットの中は規則で写真撮影が禁止されています。よって、ここからはカゲヤマが撮った写真はありません。(弱虫ペダルサイクリングチームのフォトアルバムを待つことにしましょう。)

↓出来上がったの見つけたのでリンク追加
https://www.flickr.com/photos/144869870@N03/albums/72177720322578450/with/54205970294

シュンタロー選手のレースは、1周目は先頭集団で展開するも、キャンバーセクションの登り返しで痛恨のミス、4位まで転落。

6周のレースの間、差を積めたり広がったり。大きなミスはなかったものの、快調に飛ばす先頭2名とのタイムギャップは縮まらず、悔しい悔しい4位でのフィニッシュとなりました。

ピットからはコース全てを見られるわけではありませんが、歯がゆい展開なのは見て取れました。

3位表彰台は近くて遠かった・・・。しかし!ジュニアカテゴリーはまだ1年目!来年へ向けてがんばろう!

12月後半からは、オランダベースへ欧州武者修行に向かうシュンタロー選手。今日のレースを怪我なく終えられた事は最大の収穫です。

オランダベースってなに?という方は、こちらシクロワイアードの記事をぜひぜひご一読ください。取材と文章はカゲヤマ、これも大事なお仕事(^^)

『梶鉄輝率いる「チームオランダベース」始動 欧州挑戦サポートで日本の競技発展を』
https://www.cyclowired.jp/news/node/388719

15年前には考えれなかった競技環境と競技支援が出来つつあります。日本のシクロクロスは間違いなく前進している。

自転車の普及・発展と、競技の普及・発展はリンクしているはずです。そう信じて活動していきたいと思っています。

普及と前進を身を持って進めて、本場へ飛び込もうとしているシュンタロー選手の欧州武者修行の模様、ぜひご注目いただけると幸いです。

繰り返します!推しは推せるときに推せ!推しすぎて損はないぜ!